みみの病気
急性中耳炎
急性中耳炎はお子さんがかかりやすい病気で、何度も繰り返すことがあります。特に鼻が悪かったり、集団保育を受けていたりすると中耳炎を繰り返しやすいです。中耳炎は、症状や鼓膜の状態で重症度が分けられ、重症度に応じて治療を行います。
基本的には、急性中耳炎診療ガイドラインに沿って治療を行いますが、個々のお子さんによって置かれている環境や状況は異なるため、お子さんやご家族の希望に沿って治療を行なっていきます。
耳の中は外耳道という穴があり、奥には音を伝える鼓膜があります。鼓膜の奥には、中耳（鼓室）があり、中耳にウイルスや細菌が入り感染を起こすことで中耳炎が起こります。中耳は鼓膜があるため、通常耳から病原体が入ることはありません。中耳は鼻の奥にある耳管という管とつながっており、鼻から中耳に病原体が入ってきます。そのため、かぜと前後して中耳炎が起こります。
急性中耳炎の主な症状
- 耳痛（炎症が起こると耳が痛くなります。中耳に膿がたまると腫れて、さらに痛くなります。）
- 耳漏（鼓膜が破れて中の膿が出てくることがあります。）
- 発熱（熱が出ることがあります。）
- 耳閉感（中耳に膿や滲出液がたまり、耳がふさがった感じがします。）
- 難聴（中耳に膿や滲出液がたまり、聞こえにくさを訴えることがあります。）
小さいお子さんは、これらの症状を訴えることができないため、耳をさわったり・機嫌が悪くなったり・ぐずったりすることがあります。
鼓膜を見ただけでは判断できませんが、軽い中耳炎の場合はウイルス感染のことが多く、抗菌薬を飲まなくても治ることがあります。
しかし、中耳炎が改善しない場合や中等症以上では、抗菌薬治療が中心となります。
場合により、鼓膜切開や鼓膜チューブ留置術などの処置を行うこともあります。
また中耳炎は鼻から感染するので、鼻が悪い時は鼻の治療も同時に行います。
加齢性難聴･補聴器
加齢性難聴とは、文字通り加齢によって起こる感音難聴で、「年齢以外に他の原因がないもの」です。加齢性難聴は、加齢と共に誰でも起こる可能性があります。一般的には40歳代から聞こえの衰えが始まると言われており、60歳を超えると難聴を自覚する人が急に増加し、75歳以上になると難聴を訴える方は7割以上との報告もあります。
難聴を放置していると、外出先で危険に気づかない、災害時の警報が聞こえないなど、社会生活に影響を及ぼします。また最近では、難聴が原因で認知症発症リスクを大きくし、社会的に孤立することでうつ状態に陥ることもあると言われております。
自分でチェックできる難聴の症状としては、下記のようなものがあります。
難聴の主な症状
- 会話中に聞き返す
- 後ろから呼ばれても気づかない
- 聞き間違いが多い
- 話し声が大きい
- 見えないところからの
車の接近に気づかない - 電子レンジなどの電子音が聞こえない
- 耳鳴りがある
- など
これらの中で一つでも当てはまることがあれば、耳鼻咽喉科を受診し検査をすることをおすすめします。
難聴の原因もいろいろありますので、まずどのような原因の難聴か診断することが必要です。
加齢性難聴の治療は困難ですが、補聴器で聞こえを補うことで、認知症予防・生活の質を改善させることができます。
補聴器の装用・購入をお考えの方は、補聴器相談医の診察を受け、認定補聴器専門店で購入を相談されることをおすすめします。
当院医師は、補聴器適合判定医師・補聴器相談医の資格を持っていますので、難聴でお困りの場合は、ぜひ当院へご相談ください。
